香港デモ3

前回までに香港デモが起きるまでの流れと、世界の主義情勢をご紹介しました。

 

今回は、中国がどのように香港を侵略していったかをご紹介します。

 

 

さて、1997年にイギリスから中国に、香港が返還されることになりましたが、中国に統一されるのを嫌がった企業や香港人が逃げ出し始めたので、中国は「50年間は一国二制度で良いよ。」とすることで、とりあえず逃げるのを防ぎました。

 

これで、50年は民主主義で資本主義のまま行けると思っていたところ、中国は選挙の方法を選挙委員制としました。

 

選挙委員制とは選挙で投票できる人を任命して、その人だけが投票できるという制度でした。

 

もちろんその選挙で投票できる人に任命される人は、中国の方針に従順な人が任命される訳です。

 

なので、実質的に政治は中国に支配されているということになります。

 

 

これに怒った香港人は抗議やデモを行いました。

 

そこで中国は選挙の方法を見直しました。

 

「今度は、選挙権はみなさん全員に与えます。でも、立候補する人は中国が決めます!」としました。

 

香港人は「それじゃ同じだろ!」とさらに怒り、2014年に「雨傘運動」と呼ばれる大規模なデモを行いました。

 

なぜ雨傘をさしていたかというと、デモ鎮圧のために使われる催涙弾やゴム弾を避けるために傘をさしていたと言われています。

 

結局このときのデモは鎮圧されてしまいました。

 

 

そしてさらに、中国はメディアにもスパイを送り込み、新聞、TVなどの主要メディアに中国の悪いところは報道させず、中国に親近感を自然に抱かせるように、情報を操作して行きました。

 

実際に、2019年の11月に中国のスパイだった王立強(おうりっきょう、または、ワン・リーチァン)という人がオーストラリアに逃げ出してオーストラリアが自分を中国から守ってくれるなら、スパイ活動の内容を話すと暴露してくれました。

 

まあ、スパイ活動内容を盛っている(大げさに見せてる)という話もありますが、話半分だとしても実際にスパイがいるこを証明したのです。

 

そして、この王立強は香港のメディアや経済界に入り込み、中国の命令で工作活動(スパイ活動)を行っていたと話しています。

 

それを裏付けるように、香港では2017年に中国に対して批判的な本を置いていた本屋の書店員が失踪する事件が相次ぎ、戻ってきた書店員が次々と本屋を閉店にし出しました。

 

その中の1人が証言しましたが、中国に拉致されていて、再教育という洗脳を受けていたというのです。

 

 

このように、香港は中国によって徐々に選挙の自由や、発言の自由を奪われていき、中国に対する批判的な情報は見られなくなって行きました。

 

 

そんな中、2019年、中国は香港に「逃亡犯条例改正案」という条例の変更を行おうとします。

 

その内容は、「香港内で犯罪を犯した人を、中国本土に引き渡すことが出来る」という改正内容でした。

 

つまりこれは、中国に反抗する人には、何らかの犯罪をでっち上げて、無理やり中国本土に連れて行くということも可能になるのです。

 

中国本土に連れて行かれたら、そこには自由も人権もありません。

 

嘘の犯罪でも、中国の裁判官が「こいつは悪人!」と決めつければ、それが正しいという世界です。

 

 

そんなことになったら、「まったく一国二制度でもなければ、民主主義も自由もないただの中国の一部になるだけじゃないか!」

 

と怒ったのが、今回の「香港デモ」という訳です。

 

中国はこのデモに対し香港との境界線に、人民解放軍という軍隊を配置していて、「いつでもデモを武力で鎮圧するぞ!」と脅しています。

 

 

なので、今回の香港デモは、香港人にしてみたら最後の戦いに近いくらいの覚悟で行っています。

 

聞くところによると、学生達は遺書を書いてからデモに参加しているというお話も聞きました。

 

まさに自由を守るための命がけの戦いなのです。

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

中国は香港の選挙をコントロールし、メディアにスパイを送り情報を操作し、中国への批判は弾圧して言論の自由を奪い、逆らう者には恐怖で支配するということをやっています。

 

この状況、まるでどこかの国と似たような状況だと思いませんか?

 

政治家たちは日本の未来を考えず、来年には習近平国賓として招待し、メディアは中国に不利な情報は報道せず、中国を批判すると「差別だ!ヘイト(脅迫・侮辱)発言だ!」と言われ、まだ紹介してませんが、愛国的な講演をする人に対して、「講演するならガソリンをまくぞ!」と脅迫されて、講演を中止に追いやられたりしている国があります。

 

今の日本にはまだなんとか自由が残っていると思います。

 

しかし、自由というのはタダで与えられるものではないのです。

 

日本だって、この自由を手にするために散々戦って来ました。

 

昔は自由を手に入れるのは命がけだったのです。

 

「板垣死すとも自由は死せず」と言って、自由を手に入れるために殺され掛けたこともある訳です。

 

日本はいつまで自由でいられるのでしょうか?

 

香港デモには主催者発表では200万人、香港警察は33万人と言われているので、その間を取ったとしても、100万人以上の人が自由を守るための戦いに参加しています。

 

自分としては香港人の熱さというか、自由を守る気概(きがい)を羨ましくも感じています。

 

例えば、今の日本で同じように自由が奪われる日が来た時に、はたして100万人以上の人がデモに参加するか?と考えるとどうだろう?と考えてしまいます。

 

やっぱり日本ではメディアが報道しないということが、ものすごく大きいと自分は考えています。

 

人が物事を考えるには、正確な情報が与えられないと、そもそも考えることも出来ないという訳です。

 

なので、日本人は戦わずに流されていくような気がしています。

 

 

香港デモを通じて、日本の現状も認識して頂ければと思います。