SE業界はなぜブラックになるのか

まず、SEって何するの?

 

という方も多いかと思いますので、SEの説明から。

 

一言でSEと言っても、言う人のイメージによって範囲は様々になります。

 

SEの意味は「システム・エンジニア」の略なわけで、システムの技術者という意味になるかと思います。

 

なのでシステムを構築するのに必要な技術を持った人は、みんなSEとも言えます。

 

自分のSEのイメージは「どんなシステムを作るか顧客と決める人」、「そのシステムをどうやって作るかを考え設計する人」、「そのシステムを実際に作る人」をまとめてSEとイメージしています。

 

設計するまでがSEで、作る人はプログラマーだという人もいるでしょう。

 

システムを構築するといっても、イメージしにくいと思うので、家を建てることをイメージしてください。

 

どんな家を建てるか決めて、その家をどう建てるか設計して、実際に大工さんが家を建てる。というイメージです。

 

SEのイメージはだいたいこんな感じです。

 

 

では、どうしてブラック化して行くか、見ていきます。

 

まず、お客が家を建てたい!とSE業界に相談します。

(営業から家を建てませんか?と聞きに行くことも多いです。)

 

すると、各SE会社の営業が「うちで作らせてください!」と集まってきます。

 

お客は各社から1社を選ぶわけです。

 

そこで営業は、他社に負けないように、「うちではこれだけ安く出来ます!これだけ短納期で出来ます!」とお客に良い顔をして仕事を取ってきます。

 

それを開発の人に渡すと、開発の人は「こんな人数で、こんな短期間では出来ないよ!」と営業に言いますが、「もう受けて来たから!」と押し切られて、開発がスタートします。

 

そこからお客と家の外観、内装など細かい仕様を決めていき、これで作ろう!となり、設計が始まります。

 

設計が終わり、さて実際に建物を作り始めると、色々な欠陥が出てきます。

 

この設計だと水回りがひどくなるとか、柱が足りないとか。

 

でも、お客にはそんなことは言えません。

 

お客には順調ですよーという報告をして、設計の見直し、建物の修復などを隠れて行います。

 

この時点で、無理なスケジュールがさらに手直しで、絶望のスケジュールになります。

 

残業や休出をしないと間に合いません。

 

このまま進んで行って、どうにもこうにもならなくなった時に、お客に本当のことを言います。

 

お客は激怒、裁判沙汰にもなったりします。

 

 

また、なんとか納期に間に合いそうになっても、ある程度家が出来てきた時に、お客が見に来て、「なんか思ってたのと違うなー」なんていいながら、あれこれと変更を要求してきます。

 

するとある程度建っていた家を、改修することになります。

 

また、その変更の設計をして、建てて、強度検査をして・・・

 

これが1度の変更ならまだまし。

 

修正して、お客に見せる度に、「あ、ここも直して」と注文が来ることもあります。

 

そうするとまた設計⇒建てる⇒強度検査と繰り返すことになり、全員死んだ顔になり、

諦めの境地に達するという訳です。

 

 

このような感じで、まず営業が仕事を受けてきた時点で、厳しい状況だというのと、

開発中にも問題が山ほど出てくるのに、すべて順調にいくスケジュールしか組まれて無いことと、お客からの仕様変更が頻発することで、設計者も大工さんもみんなが死屍累々となっていくことでSE業界はブラック化していくのでした。

 

最近は、みんな改善しようとしていて、昔よりはだいぶましになってきているようです。